能「敦盛」は織田信長が好んで舞ったことで知られています。1184年の一の谷の合戦で平敦盛が源氏方に討たれた時の物語を詠んだものです。「人間50年~」の一節は有名です。
人間五十年、化天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり・・・
現代に例えると、私達の生きている時間は宇宙に時間に比べたら一瞬に過ぎない短さである。夢や幻を見ているようだ。という儚さを感じさせながらも、この時代を生き抜く覚悟が示されているように思います。
現世で生きるとは、人の一生は短く、幻のような儚さを理解したうえで、乗り超えていく力を身に付けていく。この時代であったからこそ感じ取れる感性であったかと思います。
今の私達で考える時、仕事や子育てなど日々の葛藤をどんな風に自分で消化して生きていくのかに繋がるような一節です。