「たなばた」その2

七夕その2 その他

江戸時代に入って、幕府の公式行事として五節句となり庶民の間にも広がります。当時は家の屋根の上に笹竹を立てて、「神を迎え、炎厄を水に流す」そんな意味合いで捉えられていたようです。七夕の時期になると笹竹売りの声が響いていたそうです。風情がありますね。

笹竹には神様が依りつくとされ、神聖なものでした。短冊は五色(ごしき)五色は青(緑)、赤、黄、白、黒(紫)でした。これは中国の五行説、木、火、土、金、水です。魔除けとして用いられていました。

笹飾りには「七つ飾り」と呼ばれる種類があります。それぞれの笹飾りにも意味があります。

  1. 短冊は願い事を書きます。
  2. 折り鶴は家内安全、健康を祈ります。
  3. 吹き流しは織姫の織り糸を表していて、裁縫の上達を祈ります。
  4. 投網は魚を捕獲する網を表し、大漁を祈ります。
  5. 神衣(かみこ)は神御衣が起源です。折り紙を着物の形に折ったもので、裁縫の上達を祈ります。
  6. 巾着は財が溜まることを祈ります。また、口をしっかりと結ぶことで無駄遣いを戒める意味もあります。
  7. くずかごは七つ飾りを作った後の紙くずを、折り紙で作ったかごの中に入れます。倹約の心を育てると言われています。

七夕も五行説が基本であり、遠い祖先の人々が自然と共に、無病息災と私達が生きることに欠かせない衣食住に七夕という行事を通して、願いを込めていたことに畏敬の念を表します。現代と違い医療も衣食住も豊かでなっかた時代に、毎日を精一杯生きていたであろう祖先の残してくれた行事は、世の中がどんなに便利になっても残していきたいと思います。日本では旧暦で七夕祭りを行う地域も多いようです。多くの地域の七夕まつりを見てみたいと思いました。

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